人民元の為替レート推移について

17日からの週は、リスク回避の動きが大きく広がった。欧州財政緊縮策がユーロ圏の景気回復の足を引っ張るとの観測が広がったことが背景。世界的に株式市場が崩れ、ダウ平均や日経平均はそれぞれ1万ドル、1万円の大台割れとなる場面があった。欧州株はもちろん大幅下落、アジア株へも波及した。商品市況では原油が一時64ドル台へと急落したほか、安全資産の金までもが現金化を急ぐ動きとなった。為替市場では円買い・ドル買いが強まった。特に資源国通貨安の進行が目立った。豪ドル円は約10円の大幅下落となる場面もあった。ドル円は89円割れまで下落した。一方、ユーロ売りは急速に反転した。ユーロドルは1.21台から1.26台まで上伸。スイス中銀やECBなどによるユーロ買い観測が流れたが各当局はノーコメントを貫いた。また、ファンド勢がこれまでのユーロ売りポジションを巻き返す動きに転じたとの観測もあった。経済指標への反応は鈍く、リスクマネーの大きなうねりに翻弄される一週間だった。

人民元の為替レートの推移

中国人民銀行が週末のリリースで、人民元(CNY)のリーマン・ショック以降続いていた事実上の対ドル連動を解除し、通貨バスケットや国際収支を考慮した、より柔軟なものにすると発表し、2005年7月21日以来の管理フロート制への復帰をしました。

 

週明けの6月21日の中央値はUSD1=CNY6.8275、EUR1=8.4825、JPY100=CNY7.5500といった数字で、リリース前の6月18日USD=CNY6.8275、EUR1=CNY8.4538、JPY100=7.5151と比較すると対USDでは全く同じ水準でした。

 

現在人民銀行から許されている対USDの変動幅は0.5%ですので、CNY高の限界は6.7933625でしたが、昨日の最安値は6.7962と限界近くまでCNYが買われ、USD1=CNY6.7969で引けました。翌6月22日の中央値はUSD1=CNY6.7980と発表されていますから、ある程度市場の動きを容認する方針となったものと思われます。USD/CNYの長期のヒストリーを見てみましょう。

 

1970年代に人民元高が続き1981年にはUSD1=CNY1.5 まで高くなってしまったCNYはその後一貫してUSDに対して減価、1994年の管理フロート制導入時にはUSD1=CNY8.7程度まで安くなりました。3年後の1997年にはUSD1=CNY8.2765の対USD固定相場制が導入され、その体制は2005年7月21日に11通貨のバスケットに基づく管理フロート制が導入されるまで続くわけです。

 

管理フロート制の下で、徐々にUSDに対して切り上げられていったCNYですが、2008年9月のリーマン・ショック以降は対USDでの調整が全く行われず、2008年6月にCNYが6.8台に切り上げられて以降は事実上対USD固定相場が2年ほど続いた格好になっていました。

 

この間、対USDでは良く語られているのですがその他の通貨との関係はどうなっているのでしょうか?人民銀行が参照するといっている11の通貨のCNYベースの価格を2005年7月21日を1.0としてグラフにしてみました。

 

管理フロート制導入時から比べると総じて人民元高方向に動いていますが、PYやTHBはほとんど横ばいか、むしろ人民元安になっていますね。これでは分かりにくいので、11通貨の国々との貿易量に応じた比率でインデックス化してみましょう。2009年の貿易量とそれぞれの比率は、中国の税関の統計ではとなっていましたので、この比率で求めてみます。その数字に対USDの推移を重ねると次のようになります。

 

インデックスベースでみると、2005年以降は急激な人民元高とならないようにコントロールしていたように見えます。リーマン・ショックの影響でUSDがその他の通貨に対して強くなってしまった影響でCNYが予想以上に強くなってしまったために、対USDでの切り上げは見送られていたのではないでしょうか。

 

全体を調整しようとすると、たとえば2009年初めころの水準では、CNYインデックスは人民元高状態でしたから、対USDでは逆に切り下げなければならなかったと思われます。さすが対USDでの切り下げは無理なので、先週末まで据え置いていたということではないでしょうか!?

中国中央銀行の為替政策

中国が人民元相場の弾力性を強化するとの方針を打ち出した。25日の上海外為市場で、人民元は1米ドル=6.7900元で取引を終了し、2005年7月の切り上げ以来の最高値を更新した。中国人民銀行はこの日の基準値を、切り上げ後の最高値となる6.7896元に設定し、20カ国・地域(G20)首脳会議を前に、人民元の上昇を求める各国の声に耳を傾ける姿勢を示していた。

 

中国人民銀行は国内金利や通貨供給量による調整を行なわず、金融政策手段の遂行手段として外国為替相場を利用しています。人民元の変動幅が一定の枠内(為替バンド)に収まるようにコントロールしており、為替相場がその為替バンドを超える場合は中国中央銀行が市場介入をしています。

(参考FXサイト:http://www.cms-forex.com/